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気まぐれで書いた小話と日記。詳細ははじめにのヨゥコソにて

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タナトス、ニカ様、シャイタンの出会い
基本タナトス視点。

私にシリアスは無理ぽい…

僕は、何なんだろう?
どうして生まれてきたんだろう?

そんな考えばかりが頭の中でぐるぐるしている

ぐるぐるぐるぐる…

考えなければいいのに、考えてしまうからいけないんだ
考えなくなればいいのかな?







今日も石を投げられた
村に近い道だったから注意はしてたけど見付かってしまった。
でも今日は血はでてないから大丈夫。
触ったらたんこぶが痛いけど歩ける
なんとか母上には心配かけずに済みそうだ

村からも家からも離れた丘、を降りた所にある小川沿いにあるクローバー畑。
丘の上だと目立つから降りてみたら見付けたこの場所。
一人になるには調度いいし、もしかしたら四つ葉のクローバーが見付かるかもしれない
そんなクローバー一つで幸せになれたらいいのに…
とか思いつつも、無心になれるからここに来ればいつも探していた。
でも今日はさっき石を投げられた事もあってか、思考を巡らせざるを得ない…



母上は僕を生んだせいで村から追い出された。
父上はそんな僕達をおいてきぼりにして、どこかへ行ってしまった。
黒い髪の毛に黒い眼。
物心ついた時に人の背には黒き闇が見えた。
それは”器”の証らしい
”器”って何?
僕が”器”だからいけないの?

母上には悪いけど好きでこんな身体に、この世に生まれてきた訳じゃないのに…

やっぱり今日も四つ葉は見つからないや
もしかして取り尽くしちゃったかな
母上の喜ぶ顔見たかったな





「あんた、”器”ね」

「へ?!」

いきなり上から声がしたのでびっくりして変な声が出た。
ばっと見上げれば、そこには自分と同じ黒く長い髪の女の子と炎の様に緋い、くりくりしたくせっ毛の男の子
見た目は僕と同い年くらいなのに、二人の容姿は人間離れした美しさがあった。

「いきなりそれは無いだろ?クロニカ」

「だって本当の事だもの」

「…って、”器”を知っ、てるの?」

以前から言われ続けていた”器”
この子はその意味を知っている?
知りたい、その意味を
僕が嫌われ続けていた理由を!

「…教、えて!」

思わず立ち上がって大きな声を上げ女の子に詰め寄ってしまった。
だけどそれだけ知りたかった。
その真意を…

「わ、わかった、わかったわよ」

「いいのかよ?教えて」

「いい!教えて…その”器”の意味を…」

男の子が咎めたけど、それを振り切った。
女の子は焦らす様に、にやりとちょっと不気味に微笑んでからこう言った。

「…”器”は”器”よ」

「…何の?」

「これ以上は言えな、んぐっ」

「言え~!今すぐ、今すぐ言えー!」

僕は女の子の両肩を掴んで前後に降ってみた。
こうやったら口から答えが出て来るかもしれないと思って。
男の子はオロオロしながら見てたけど、気にせず女の子を振り続けた。

「やめな、さいよっ!」

「ぐふっ」

お腹に衝撃。
痛みに耐え切れなくてお腹を手で押さえながら膝を地面に着いた。

「…今度やったら蹴りだけじゃないからね」

「ごめんなはい…」

「ははは、ざまあねぇ!クロニカの蹴りは俺様のパンチの二番目に効くからな!」

腹を押さえてうずくまる僕をカラカラと笑う少年
まるで悪魔だな…
いや、赤黒い翼に右だけちょっと出てる角…
もしや本当に悪魔?
そんな訳ないのに、この不思議な二人組は何故か妙な親近感を覚えた。
それもそのはず。
この子達は”器”の事を知っていても、僕を虐めない。
ましてや話し掛けてくれた。



この子達なら…

この子達なら友達になってくれるかな…?





これが、僕とクロニカとシャイターンとの出会いだった。

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